零れ落ちた空

口をつぐむ。 胸の中がいっぱいで、どんな言葉も合わなくて嘘みたいに思えるんだ。 表現をした途端に、抱きしめていたいのにこぼれ落ちて、消えてしまうんじゃないかって。 子供の頃に集めたガラクタみたいに、どれもが全部が大切で、箱から出して、誰かが...
 

明日のための後悔

もっとできた。 今の私の精一杯を届けても、すぐにまた後悔をして、ああすればよかった、こうすればよかったと、手遅れの葛藤をする。 それにもかかわらず、微かに何かを残せていたらだなんて、自己愛を抱いている私。 次こそは。
 

本当の色

時間によって光が映し出す絵の具の色は異なっていて、 今私は何色で描いているのか、わからなくなるときがあります。 朝と、昼と、夕方と、夜の人工的なライトはそれぞれに、絵の違う姿を切り取って、いっそのこと目を瞑った方が真実を感じるのではないかと...
 

生まれたての赤

あの新芽は、綺麗だったんだ。 だから誰かを幸せにしたんだ。 きっとそれが、柔らかく鮮明な赤の存在でした。
 

共犯創作

描いて、描いて、描いて、描いて。 描けと言わんばかりに、その他の道が閉ざされていく。 いや自分で選んでいるのでしょうか。 それとも私が未熟だからでしょうか。 表現せずにはいられない私と、 そうさせたい何かの共犯です。
 

生命力

街灯工事のために生垣の木が切られた。 切り株は残っていて、人間都合で、へし折られた幹からは空に向かって真っ直ぐに、新しい芽が出ていた。 寒さで真っ赤に染まった芽がとても綺麗で、通るたびに自然と目が行く。 たった一本、一本だけ、なんとか復活し...
 

大開放マインド

「オープンすぎるよなぁ。」とのこと。 どうやら風通しが良すぎるようです。 そうは見えないでしょうけど。 つまり相当に不器用だと言うことです。 文章世界に吸い込まれて時間の無い空間に誘われそうなので、今日は時計にしがみついて書きました。 いっ...
 

天秤

いつも何かに夢中で、傾いている。 右に重りを置いてはガタン、 左に置いてはガタン、 繰り返し、繰り返し、こりずに。
 

仮想の薔薇

触れることができない代わりに、永遠です。
 

雪の記憶

去年の冬は一緒に雪を見たんだっけ。 曖昧になっていく記憶を悲しく思った。 絵ばかり描いて、せっかくの雪景色に見向きもしない自分が嫌で、 夕方、青く空気が染まる頃ベランダに出る。 ワンピースの下のヒートテックが一瞬にして冷えた空気を吸い込み、...