透明な蝶々 真っ白い場所で描いていました。 僕の居場所でした。 ある日僕は外の光が綺麗で、窓を開けてしまいました。 隙間から、風にのって花の種がふわふわと、それから、見たこともない、青く発光する蝶々が飛んできました。 可愛くて、綺麗で、大切でした。 微...2024.05.28
触れられる光に背いて 手に触れれば感触があり、心の奥にまで届く様な、美しい光をこの目で感じられるのに、わざわざ仮想空間に、形を表現しようとしている自分を不思議に思いました。 実態の無いまっさらな場所に、理想を創造できる自分を感じることで、この息苦しさから逃げ出そ...2024.05.26
当たり前の喪失 普通とされる生き方を私はできないのだと、痛いほど知ってきた。 それなのに諦めきれずに何度も夢を抱いて、もがいて生きてきた。 人生の前半を捨ててでも、辿りつきたかった。 諦めようか、もう。 これでは私が死んでしまう。 そんな私も、見失いそうな...2024.05.25
呼吸をする様に描くのに 無心で描けるのに、よそ見をしてぶれた途端、できなくなる。 鉛筆を、筆を、手に握っていることがとても自然な毎日が好きだ。 描かなくてはいけないとか、絵が楽しいとか、辛いとかも無く、 私が生きているから、絵が生まれていくだけのこと。2024.05.25
追って逃げたい、お年頃 7歳くらいの男の子が、とぼとぼと道を歩いていた。 だいぶ先に父親らしき人の姿がある。 この距離感はいったい… 父親が道の角に差し掛かった頃、男の子はハッとして急に振り返り、すぐ後ろにいた私とぶつかりそうになった。 私を避けて、楽しそうにかけ...2024.05.25
現実至上主義、やがて雨。 限られた時間を無駄にし続けている。 必死に描いて、大切なものを失っている。 定められた承認のルールが価値を束縛する。 重い。 ロープに掛かった者はそのうち締め付けられて破裂するんだ。 けれどルールに乗らなければ、存在しないも同然になる。 本...2024.05.25
∞週目の18時 本当は彼女しかいなくて、彼しかいません。 きみしかいなくて、私しかいません。 眩しいくらいに、どこまでも、ただ、ひとつだけ。 それなのに優しいのは、そこに全てが、生きているから。2024.05.23