銀色の溶けた色

憧れだったファッションリーダーは街頭でマイクを握り、挑発的なメッセージを叫ぶ様になった。

「いつか絶対買うんだ!」

好きだったブランドのデザイナーはいつのまにか、マルチ化粧品を宣伝している。

何に憧れればいいのか、わからない私たちにとって、それはとてもありふれたことだから。

ひんやりと、溶けていくように切なくて、残った破片をそっと、キャンバスに並べた。