子供から大人まで、その時間が来るまで待機して、同じ風景に目を向けていた。犬たちは時折吠えて、戯れたい気持ちをなだめられながら、早く散歩をしたそうにしている。
知り合いのご夫婦も来ていて、いつもと変わらない笑顔で話す奥様の姿が見えた。
あちらも気づいていないようだし、ひとりでいたかった私は特に挨拶には行かず、片隅で静かに朝日を眺めている。
力強い光に祈る。
何を祈ったかは秘密。
同じ光を見つめながら
みんな何を思っているのだろう。
一斉にスマホを向け
1年始まりの朝を切り取っている。
反対側の空に月が見えた。
太陽があってこそ輝くことができるらしい月が、年始の空気も相まって、すっかり明るさに負けている。
健気なやつ。
私の目には心なしか
いつもよりも強く輝いているように映る。
みんなに背を向けて
反対側の空にスマホをかざした。
同じ空に浮かぶ2つの光。
☀︎☽
どちらも綺麗だった。