悪夢

「いい夢見てね。」 そう言ってから、眠ったわたしは悪夢で起きて、そんな自分に泣いてしまった。
 

鏡の中の紅色の恋

「男って本当に単純で勝手。」 ということにして、引き受けてくれているのが男性陣だと思うのです。 わたしたちは好きな色の口紅を塗って、鏡に映った自分にうっとりしているだけだから。
 

あがれよ。くだれよ。

幸せを見て苦しむなら、汚いわたしを見てください。 汚れたものを見て不快に思うなら、輝く姿を受け取ってください。 本当の醜さとは、苦しむことを知っていながら、それを無感情でするようなものなら、わたしはまだまだ人の痛みを知らない、未熟な人間です...
 

愛ってのはその程度

美しいものを見た。 「そんなの嘘だろ。もっとありのままを見せてみろよ。」 今度は汚れたものを見た。 「きみが嫌って切り落としたかったもの、わたしはとても愛おしかったよ。」
 

04:28

いろんな言葉が頭をよぎって、胸が痛い。 だからどうってことではなく、ただ痛いって、それだけ。 10センチ開けたカーテンの隙間から覗く、夜明け前の空気が部屋に入り込み、音も無く、ぼくの背中に触れてくる。 繋がったあの時間は確かにそこに、あった...
 

言葉では無い“それ”を現せ。 無形のお題を与えられ、私は筆で「人」と書きました。 お習字のような、大きな文字で。 けれど書きながら、もっと伝わるように具体的にするべきである気がして、「人間愛」と続けました。 …という、おかしな夢を見たなぁっ...
 

雨で泣いている人がいて

そんな人を思いながら、雨上がりに散歩をしました。 湿って透き通った緑の向こう側に、太陽が見えて綺麗でした。 泣いている瞳の奥も、同じようでありますように。
 

呼吸するように

綺麗になり過ぎず、汚れ過ぎず、淡々と静かに、今のどうしようもなさと、奇跡をただ、生きていたいと思います。
 

私は車に蝶々は空へ

タクシーに乗ろうとした時、右腕に大きな蝶々がとまった。 運転手は重たいキャリーバックを持ち上げて、荷台に乗せているところ。 蝶々は鮮やかなオレンジ色で、羽をふわふわさせながら、なかなか飛んでいかない。 私と蝶々と、2つの時間だけが、静止して...
 

色の無いベール

綺麗なだけの鋭い光が、きみを追い詰めたんです。 きみを汚していることを知らず、彼女は輝き続けました。 泥に塗れたきみを彼女は純白の布で覆って、ほら笑ってと微笑みました。 きみはどこへ? きみはきっと静かに目を瞑って、泥の熱さと光の冷たさを、...