照りつける太陽と遊んでいるかのように、咲き誇っていた向日葵も、その自由奔放さを隠し、冬の空気に縮こまっていた。
なぜ一輪だけ、こんな季節に?
造花かと思って花の根本に目を向けると、しっかりと地面から生えている。
在るべき場所を知らず、それでも咲いている、冬の向日葵に自分を重ねた。
いや、私は向日葵というキャラクターではないかな?
私なら…
花の名前をいくつか思い出そうとして、途中で考えるのをやめた。
季節外れに咲いた花は、その花らしく、咲くことができているのだろうか。
在るべき場所から、遠く離れた場所に生まれたことを付加価値と捉えることもできるけれど、もっと陽の光を浴びたかったろうに。
もしも再び、夏に咲く仲間に出会えたら、冬の寒さの想い出を語るのかもしれない。
「ある冬の日、寒空の下に咲くボクに、自分を重ねて眺めてくる人がいてね。」
想い出の片隅に、私も一緒に、お邪魔させてはくれないだろうか。