聞こえていたのは誰かの名前

求められることの無意味さを知った。

声を聞いた。声を返した。

向き合って、最後はただ空っぽだった。

多分追いかけている何かに、似ている人がそこにいて、呼ばれたの。

だからわたしは、出しかけた手を引っ込めて、絵筆を取るんだ。