愛されたい誰かへ

わたしは誰かが心から求めているような、愛は持ち合わせていません。 けれど誰かから必死に愛を教わらなくてはならない程、愛がないわけでもありません。 ごく平凡に、残酷に、身勝手に、純粋に、人間をしています。
 

3部作

少し前には馴染みのなかったAIも、あっという間に普及。 心(神?)を作りたいプログラマー、いや、神になりたい心? それを活用する私たちも、生みたくて仕方がない。 お金を払ってカウンセラーに話をしに行ったのに、「チャットGPTに聞いてみて。」...
 

主婦のつぶやき

夕方、まな板の上で具材を切る音がする。 「◯◯◯は◯◯。◯◯なんて◯◯◯◯だ。」 誰も褒めてはくれない料理をしながら書いた、主婦の投稿はバズって、ポジティブだろうとネガティブだろうと、彼女の中にあった何かの力が拡散していた。 生徒に隠れて一...
 

創造欲求

欲求に突き動かされた果てに、命となった。 芸術なんてものにそれを使い、非効率にもほどがある。 人生に効率を求めるならば、皆んな生まれたらすぐに墓に入ること。 それが最も効率的な生き方である、と誰かが言っていた。 なんて無駄な想像欲求に溢れた...
 

一人称

男性が言う「私」を言いたい。 でも女である私には言えない。 ふと、思っただけです。
 

雑草

つつじの生垣の下に茂った、雑草を丁寧に刈り取っている人がいました。 多分ボランティア。 緑がなくなって、さらさらと平らに広がる土が綺麗でした。 砂利道の石の隙間をぬって生えた雑草に、ジョウロで水をあげている人がいました。 水を浴びた緑が少し...
 

つまらない話

キャンバスを折ろうとした。 水平線に鮮やかなオレンジ色の絵具がのった海の絵。 所々には海の砂を使った作品だった。 折りたくて、でも折れなくて、僕は泣きそうで。 逃げ出したい。限界だと思った。 場面は変わる。 幾何学模様が書かれた宇宙図と睨め...
 

自分のあらゆる感情、全てを見てきた僕自身。 誰に信じてもらえなくとも、凛と歩くんだ。 それは、ただ、僕がそうありたいから。 そう生きることを諦めるな。
 

押し殺して好かれるなら、私で嫌って。
 

あれはいつかの僕だって

無造作に戻されたそばから また綺麗に畳まれた量産品が並ぶ棚の下 欲を駆り立てるべく、語りかける生の声は 奇妙にリピートされていて 簡単に廃棄できる、ただの音 誰かの笑顔を思い浮かべて 笑う膝を騙して立ち上がったことも 圧倒的な現実を目の前に...