呼吸をしたいんだ

限られた時間の中に詰め込まれた行事をこなせるほど、器用になれず、ぼくは人間ではないのでしょうか。手のひらにひとつずつしか乗せられなくて、みんなはずっと遠くを歩いていて、走っても走っても、ずっとそこにある景色だけが、ぼくと一緒に枯れていく。進まなくてはと力を振り絞れば、手のひらに乗せたたったひとつさえ、こぼれ落ちて、人間になれないまま、きっとぼくさえも捨てて、ここにいるのは誰ですか。