香りのしない花束

背骨抜かれて足折られて「ほら歩いてみなよ、世界はいいところだよ!」なんて言われる様な、ふざけた出来事は、知らないふりをしているだけで、本当はそこらじゅうにあって、だからこそ、そんなことで、終わってたまるか。

夢をみることさえ酷である境遇を生きなくてはいけない人たちが、あぁこの世界もいいな、自分も捨てたもんじゃないと一瞬でも感じられて、藁に縋る思いで毒のバルブを引く様な最期に、頬を撫でる愛がどうかあって欲しい。