言葉の隙間∞記憶を繋ぐ
細い指の関節に触れる
一時の気の迷いで運命なんて作り上げちゃって、たかが恋愛に産み落とされて、輪廻の渦にのまれてく。 それでも意味があるみたいに夢を追うのは、本当は無いものが、そこにはあると思わせてくれるから。 現実しか存…
レアチーズケーキ
恋をして脳が傷ついたのだと思います。 長い時間をかけて癒そうとしますが、一度傷んだものは、もう元には戻らないことを何かで読みました。 食べ尽くしてしまいたいと、思いますか。 腐っていく記憶と一緒に、切…
語りかけたのは誰ですか
夢の中で詩を書いていたのに、忘れてしまった。 ついさっきのことなのに、白い影だけのこして戻らない。 誰かのことを書いていた気がした。
最後の絵の具は透明でした
命の後に完成するんだろうきっと。 ふと、それがわかってしまって怖くなった。 未完成なままの絵を残す僕。
零れ落ちた空
口をつぐむ。 胸の中がいっぱいで、どんな言葉も合わなくて嘘みたいに思えるんだ。 表現をした途端に、抱きしめていたいのにこぼれ落ちて、消えてしまうんじゃないかって。 子供の頃に集めたガラクタみたいに、ど…
明日のための後悔
もっとできた。 今の私の精一杯を届けても、すぐにまた後悔をして、ああすればよかった、こうすればよかったと、手遅れの葛藤をする。 それにもかかわらず、微かに何かを残せていたらだなんて、自己愛を抱いている…
本当の色
時間によって光が映し出す絵の具の色は異なっていて、 今私は何色で描いているのか、わからなくなるときがあります。 朝と、昼と、夕方と、夜の人工的なライトはそれぞれに、絵の違う姿を切り取って、いっそのこと…
生まれたての赤
あの新芽は、綺麗だったんだ。 だから誰かを幸せにしたんだ。 きっとそれが、柔らかく鮮明な赤の存在でした。
共犯創作
描いて、描いて、描いて、描いて。 描けと言わんばかりに、その他の道が閉ざされていく。 いや自分で選んでいるのでしょうか。 それとも私が未熟だからでしょうか。 表現せずにはいられない私と、 そうさせたい…
生命力
街灯工事のために生垣の木が切られた。 切り株は残っていて、人間都合で、へし折られた幹からは空に向かって真っ直ぐに、新しい芽が出ていた。 寒さで真っ赤に染まった芽がとても綺麗で、通るたびに自然と目が行く…