平凡な新世界

「もう、底尽きるくらいに傷ついたんだろうな。」

動悸がして目が覚める。

行き場なく現れた恐怖心を震えながらも抱きしめたくて、文を書こうと枕元のタブレットに手を伸ばした。

寝転んだまま手探りで取るものだから、棚の上に散らかったレシートが頭の上に降る。

だる…

などと、気怠い感情は特に湧かず、相変わらずの不安を子守していた。

水の上を流れ行く落ち葉を眺めるとは、こういうことか。

切り捨てるわけにもいかない、人の苦悩の扱い方だそうです。

真逆なんです創作は。

暗闇で明るさ最小値にした画面から、おはよう新世界。

私を外の景色に連れて行く、平凡をください。

生が、経験をしてきたよりも少しだけ、綺麗なのだと、教えてください。