意味のない線

水色の色鉛筆で線を引いた。

愛とか言いながら、ひたすら食われて終わった誰かの支配欲も、駅のホームですれ違っただけだからこそ綺麗に届いた優しさも、線を引くその一瞬に集まって意味を失った。

その色さえも、引かれたそばから燃やされて消えるか、朽ちて土になるか、とにかく、どこかに向かって生きていて、かわいそうに。

綺麗な色。

描くことは私を幸せにするものではない。

でもきっと今日、この瞬間にその線を引くために、生まれたんです。