しずく

ぽたん。

ぽたん。

現実と精神の狭間では、水の音が鳴るって聞いた。

暗い部屋、枕で塞がれた耳の奥に神経が集中する。

終わりだよ、もう。

広がる波紋は僕の心臓に侵食して、鳴り止む鼓動を操作した。

逆転する時計の針。

けたたましく鳴る秒針の音は、水の音も僕の鼓動もかき消して、朝に僕を繋ぐ。