言葉の隙間∞記憶を繋ぐ
つまらない話
キャンバスを折ろうとした。 水平線に鮮やかなオレンジ色の絵具がのった海の絵。 所々には海の砂を使った作品だった。 折りたくて、でも折れなくて、僕は泣きそうで。 逃げ出したい。限界だと思った。 場面は変…
道
自分のあらゆる感情、全てを見てきた僕自身。 誰に信じてもらえなくとも、凛と歩くんだ。 それは、ただ、僕がそうありたいから。 そう生きることを諦めるな。
杭
押し殺して好かれるなら、私で嫌って。
あれはいつかの僕だって
無造作に戻されたそばから また綺麗に畳まれた量産品が並ぶ棚の下 欲を駆り立てるべく、語りかける生の声は 奇妙にリピートされていて 簡単に廃棄できる、ただの音 誰かの笑顔を思い浮かべて 笑う膝を騙して立…
壁をくれ
デニムばかり履いていた姉が、気まぐれに、ふわっと揺れるワンピースを着た。 「なんだかおしゃれになったね。」 何色だかわかんないあなたの目の色、変えないで欲しかった、 なんて思いながら、背中を震わせて微…
めめのめ
見る罪。 アイマスクをすれば仲良くなれますか。 でも悲しいことに、それでもきっと見ることからは逃れられません。 なのでせめて、見えた全てを両手で包んでみました。 手のひらは熱くて、痛くて、閉じた瞼の隙…
人体
見て描くのはできるので、脳内を描きたいです。 でもまだまだ甘くて、もっと脳内の解像度を上げたいのと、脳と指先の接続神経を強化したいです。 私は100%出力ができないので、分析とロジックを積み重ね、感覚…
continue
ほんとうは、はじめから、宝箱なんてどこにも無い、迷路。
棘
傷つけるためにある棘を刺して、黒い場所に穴があいて、痛みを知って、もがいて、癒えていくために生きている。 棘は知ってるよ。 いつかきみが追い越して、歩んでいくことを。 ありがとうなんて、みじめな言葉を…
ただ雨である
必要とされるために歌をうたう小鳥が 自分のために咲いた花の、木の実を食べた。 それ以外に何を語ればいいんだろう。 小鳥は歌えなくなって、花も咲かない。 ただ、みんなだまって、凍りついたみたいに、生まれ…