言葉の隙間∞記憶を繋ぐ
じわる
じわる人になりたい。 奇抜さや、パッと目を惹く、華やかさは多分無いので、せめて素朴なくせに、なんか癖になるような人間に。 あぁ。 そうなりたいなんて、言っている時点で、なんだか駄目な気がしてきました。…
頭の中覗かせていただきたい
散歩中、向かいから歩いてきたおばあちゃまが、私の目の前で急に立ち止まり、通り過ぎる私の顔をじーっと見つめていた。 十分程歩くと、また別のおばあちゃまがじーっ。 今日は不思議な日。 ほっぺに口紅でもつけ…
色と音と遊びの家
画材が揃うアトリエと、楽器が並ぶ防音室。 お気に入りのアナログなパズルゲームなんかも揃っていて、仲間が集う。 わたしはそこに住んでいて、でも、ずっとそこにはいない。 個展のために各地を放浪していたかと…
両片思いの音がした
好きな時に気にせずに、すきなだけ、ピアノを弾ける環境が欲しい。 すっかりと硬くなった鍵盤と、阻まれて、歩み寄れないわたし。 雨と、差し込む光の間に漂って、音が泣く。 “いつか”は、指先に、思ったよりも…
椿とお見舞い
はじめて手に触れたのは小さな男の子 母親が繋ぐ手と反対側に私を握りしめて くるくる回しながら真っ赤な色を眺めていました 親子は待合室のベンチで少し休んで、ボーロを食べたり、絵本を読んだり しばらくして…
不眠のお供
昨年よりはじまった不眠症。 今日こそは恐怖で目覚めることがありませんようにと、おまじないをするために、お気に入りの本を買いました。 紙の質感、ページをめくる音、本の中に広がる別世界。 何度も同じペ…
創作動機
創作をしていて心震えるのは。 誰かが、生きていて良かったと、感じられるほんの一瞬を生み出したくて、 わたしは表現、創作を通して活動をしているのだと思います。 主役はわたしでは無く、わたしはここに生きて…
恋する脳内麻薬
誰にでも起こりうる、人生におけるアクシデントを繰り返し乗り越えた代償により、わたしの脳は脆くなった。 人間はドーパミンに翻弄され恋に落ちるらしい。 そんなありふれた刺激がわたしにとっては命取りになるこ…
夜の森に溶けるなら
真っ黒な蝶々が全身を覆い尽くし、僕の形を吸い取った。 バタバタと空に飛び立つと、そこには青白く輝く骨だけが残って、僕は涙と一緒に、霧よりも細かい、光の粒子に変わるんだ。 残酷な夜に生きて泣いている、誰…
白い壁の小さな貼り紙
「言葉を話しましょう。」 壁に並んだ文字は私に話し方を教えてはくれない。 こんなのは中身のないただの記号だ。 もしくはーの自己陶酔。 言葉は私の中をそのまま伝えてくれない。 色鮮やかな脳内を記号にする…