言葉の隙間∞記憶を繋ぐ
錆ゆく時々、昼下がりの坂道。
赤信号にならないうちに渡切ろうと、トラックが坂道を猛スピードで登っていった。 荷台が錆びついている古いトラックで、ガタガタとけたたましい音に、タイヤが取れるんじゃないかと心配になる。 仕事の時間に遅れ…
震える君の空気で在りたい
「寂しい人に、寄り添う存在でいてほしいんだ。」 たくましく生きている人はいい、君がそんな場所にならなくとも、きっと自分で見出して生きていく、でも寂しい人の側には、いてやってほしいんだ。 想いを託すかの…
冬のひまわり
照りつける太陽と遊んでいるかのように、咲き誇っていた向日葵も、その自由奔放さを隠し、冬の空気に縮こまっていた。 なぜ一輪だけ、こんな季節に? 造花かと思って花の根本に目を向けると、しっかりと地面から生…
日暮の空とモノクロの僕
この空間から、不器用な僕を切り離したくて、外に出た。 冷たい空気が静かに僕を迎えてくれる。 「何やってんだろうなぁ。」 少し前の出来事が、頭の中で繰り返し流れていた。 「俺が話しているとき、すげぇ怖い…
輝くすすき野原と大人の背中
午後の日差しを背に、白く発光しているすすきを眺めていました。 穏やかな風に揺れ、どこか遠く優しい世界へ、手招きをしているようでした。 「ずいぶん遠くまで来たな。」 車内でコーヒーを片手に、〝誰かに届け…
ドクターストップ
「絵や創作活動、自己表現をなるべく控えて。バランスを崩すから。」 白衣を着ない代わりに、全身ホワイトのコーディネート。 派手なオレンジの髪色が最高に似合っている。 歳をとったら、こういう格好いい人にな…
整った振る舞いも可能です
当たり障りの無い、静かな振る舞いをすることもできます。 お手本のような言葉を言うのは簡単です。 でも誰かを大切にしようと思ったとき、手本が何の意味もなさないと感じる瞬間があります。 誰かを傷つける事な…
愛の雨に沈む
夜、気づけば雨が降っていました。 久々に聞いた雨の音です。 雨に沈んで思い出します。 愛は雨のように降る。 誰にでも。 朝が来ますように。
笑顔誘発
女性の笑顔は最強だと思います。 無邪気に楽しそうにニコニコしているお顔を見ているときの、あの満たされる感覚。 そうかそうか、楽しいね、嬉しいね、かわいいなぁ。 こちらまで胸の中がキラキラしてきます。 …
いつまでたっても私
どんなに考えても、どんなに人の心に気持ちを寄せたつもりになっても、結局私の言葉から抜け出ることができない私。 自分を疑って違う視点を考えてみても、それすら私の中で考えている。 狭い狭い一個人の脳みそに…