零れ落ちた空

口をつぐむ。

胸の中がいっぱいで、どんな言葉も合わなくて嘘みたいに思えるんだ。

表現をした途端に、抱きしめていたいのにこぼれ落ちて、消えてしまうんじゃないかって。

子供の頃に集めたガラクタみたいに、どれもが全部が大切で、箱から出して、誰かが触れてしまえばもう、それは僕のものじゃ無くなってしまうような、あの、しがみつくような感覚。

それでもはじけてしまって、言葉の代わりに、僕の目からそれは流れ出て、冷たい手で抑えては、どうか、どうか、失う分はこれだけにしてくださいって、お願いをした。