2024-04

 

一人称

男性が言う「私」を言いたい。 でも女である私には言えない。 ふと、思っただけです。
 

雑草

つつじの生垣の下に茂った、雑草を丁寧に刈り取っている人がいました。 多分ボランティア。 緑がなくなって、さらさらと平らに広がる土が綺麗でした。 砂利道の石の隙間をぬって生えた雑草に、ジョウロで水をあげている人がいました。 水を浴びた緑が少し...
 

つまらない話

キャンバスを折ろうとした。 水平線に鮮やかなオレンジ色の絵具がのった海の絵。 所々には海の砂を使った作品だった。 折りたくて、でも折れなくて、僕は泣きそうで。 逃げ出したい。限界だと思った。 場面は変わる。 幾何学模様が書かれた宇宙図と睨め...
 

自分のあらゆる感情、全てを見てきた僕自身。 誰に信じてもらえなくとも、凛と歩くんだ。 それは、ただ、僕がそうありたいから。 そう生きることを諦めるな。
 

押し殺して好かれるなら、私で嫌って。
 

あれはいつかの僕だって

無造作に戻されたそばから また綺麗に畳まれた量産品が並ぶ棚の下 欲を駆り立てるべく、語りかける生の声は 奇妙にリピートされていて 簡単に廃棄できる、ただの音 誰かの笑顔を思い浮かべて 笑う膝を騙して立ち上がったことも 圧倒的な現実を目の前に...
 

壁をくれ

デニムばかり履いていた姉が、気まぐれに、ふわっと揺れるワンピースを着た。 「なんだかおしゃれになったね。」 何色だかわかんないあなたの目の色、変えないで欲しかった、 なんて思いながら、背中を震わせて微笑んでたことを知っているのは僕くらい。
 

めめのめ

見る罪。 アイマスクをすれば仲良くなれますか。 でも悲しいことに、それでもきっと見ることからは逃れられません。 なのでせめて、見えた全てを両手で包んでみました。 手のひらは熱くて、痛くて、閉じた瞼の隙間からは感情が溢れて、それでも静かに、た...
 

人体

見て描くのはできるので、脳内を描きたいです。 でもまだまだ甘くて、もっと脳内の解像度を上げたいのと、脳と指先の接続神経を強化したいです。 私は100%出力ができないので、分析とロジックを積み重ね、感覚を駆使して描いています。 人は矛盾した生...
 

continue

ほんとうは、はじめから、宝箱なんてどこにも無い、迷路。