2024-04-13

 

夜の森に溶けるなら

真っ黒な蝶々が全身を覆い尽くし、僕の形を吸い取った。 バタバタと空に飛び立つと、そこには青白く輝く骨だけが残って、僕は涙と一緒に、霧よりも細かい、光の粒子に変わるんだ。 残酷な夜に生きて泣いている、誰かの涙とくっついて、柔らかい光が差し込む...
 

白い壁の小さな貼り紙

「言葉を話しましょう。」 壁に並んだ文字は私に話し方を教えてはくれない。 こんなのは中身のないただの記号だ。 もしくはーの自己陶酔。 言葉は私の中をそのまま伝えてくれない。 色鮮やかな脳内を記号にするのはとても難しい。 流れるように進む会話...
 

はじまり

春が終わるのが嫌で、咲かないで欲しかった。 でも今朝、とても晴れていて、散っていく春もいいなと思いました。 残った花を追い越すようにして、新芽は伸びていて、並木道の散歩がとても心地良かった。 遠くに見慣れた背中を発見。 淡いピンクがはらはら...