白い壁の小さな貼り紙

「言葉を話しましょう。」

壁に並んだ文字は私に話し方を教えてはくれない。

こんなのは中身のないただの記号だ。

もしくはーの自己陶酔。

言葉は私の中をそのまま伝えてくれない。

色鮮やかな脳内を記号にするのはとても難しい。

流れるように進む会話。

他方向に飛び交う矢印。

制限時間に間に合わず、ぐちゃぐちゃなままのパズルを差し出す。

できることなら、印象画みたいな複雑な色合いのピースを胸の中で綺麗に並べて、贈りたいのに。