自然界に真球が存在し難いのなら

生まれてこの方、人を愛したことなんて、ないんです、きっと。

向き合ううちにだんだんと、愛することも、愛されることも、傲慢であるようにさえ思えて、力んだ肩を緩ませて、空を仰ぎます。

特別晴れてもいない、絵筆を洗った後の水のような色。

変わらず絵を描いて、わたしがいて、誰かがいて、ただそれだけの、いつまでも未完成な、かけがえのない今日を歩いています。