キャンバスを折ろうとした。
水平線に鮮やかなオレンジ色の絵具がのった海の絵。
所々には海の砂を使った作品だった。
折りたくて、でも折れなくて、僕は泣きそうで。
逃げ出したい。限界だと思った。
場面は変わる。
幾何学模様が書かれた宇宙図と睨めっこをしていた。
宇宙の愛を理論で証明する瞬間。
ずっと矛盾が生じていた方程式が、視点を少しずらしたことで、全ての辻褄が合致した。
ある惑星を示す、小さな丸から、1センチほど離れた地点を軸として、図を書き直す。
真実の答えはずっと、僕の思考の、すぐ近くにあった。
なんだか切ない気持ちで目覚めた日曜の朝。
5、6時間の旅を終えて、ありふれた現実世界に帰還です。