2024-03

 

鎖を解く真珠の音

ネックレスがちぎれて、コンクリートの上に散らばる真珠を拾う人がいた。 しゃがみ込むその人を誰かが見つめる。 そんなささいな瞬間に、鉄の鎖にかけられた鍵も、外れたらいいのにね。
 

南京錠

愛という傲慢で私たちは死んでいきました。 そのままでいれたなら、壊れなくて済んだのに、求めてやまないそれのせいで、失う旅をしています。 腹に刻まれた傷で縄をつくっては、幸せを願って誰かの首に巻き付けました。 遺伝子に綴られているのは、その歴...
 

ここは奇跡の青い星

灰色に塞がれた崖を駆け上がるあなたの世界に じりじりと大人たちの声が響いていた 方眼罫の上に並ぶ「愛している」はナイフのようだから 軌跡に宿したアナグラムを あなた達へ
 

Some say loveIt is a razor that leaves your soul to bleed

When the night has been too lonelyAnd the road has been too longAnd you think that love is only For the lucky and the st...
 

無骨な人間、天に叫ぶ

間違いだろうが、なんだろうが、僕らの心はここにあるんだ。 なのに人間は幼くて、ちっぽけな愛しか体現できないから、僕は空に向かって叫びたい。 知っているか僕らの痛みを。 見ているか僕らの愛を。 本当に。わかってるの… 是非いつか、僕の人生、生...
 

花々の言葉

紫陽花:言葉遊び、子猫の散歩、恋の始まり 言葉遊びをし合う、僕らの世界を繋ぐ花。雨上がり、青い花弁を眺めながら子猫が散歩する。きみが可愛がっている猫の名前は何?まだ見ぬ2人の始まりの花。 青い薔薇:魅惑、永遠、駆け引き、真実の愛 魅惑の香り...
 

s̶e̶e̶ ̶y̶o̶u̶

ハーゲンダッツ買いに行っている隙に、冷蔵庫に隠れて、海蘊を食べてる。 僕の前ではヴィヴィアンのネックレスを揺らしているくせに、愛くるしいって罪だよな。 僕のありったけの、偽物の愛を。 good bye.
 

命の分解

助けて、という遠い空の声に、耳を塞いだまま 死んでいくのが星なんだって、誰も気づかないで泣いている。 かつては輝きだった何かが、空中分解した後にようやく詩を聞いて、 後悔と一緒に産声をあげる。 何度も何度も。
 

油彩

油彩って、あまりしてこなかったけど、出来上がった絵は思いのほか、独特の透明感があって好きになった。 透明なのに、心地よく重たい。 画法にもよるんだろうけど。 ただし乾くのに半年かかるって、なかなか。 それも良さですね。
 

しずく

ぽたん。 ぽたん。 現実と精神の狭間では、水の音が鳴るって聞いた。 暗い部屋、枕で塞がれた耳の奥に神経が集中する。 終わりだよ、もう。 広がる波紋は僕の心臓に侵食して、鳴り止む鼓動を操作した。 逆転する時計の針。 けたたましく鳴る秒針の音は...