gift 夜は湖に浮かび、顔を出して灯りを眺めている。 たとえ愛を飲んで沈んでも、朝は夜の命を信じている。 夜の存在を信じている。 けれど夜の目の前で、この愛を体現するのは朝ではない。 夜が愛すべきは朝ではない。 朝にとっても夜ではない。 夜は湖から...2024.03.03
雪の手紙 だから僕は言葉を飲む。 ずっと全部を胸いっぱいに想っていたい。 だって、好きという言葉は感情を奪って行く。 嬉しいという言葉が、僕らの喜びを溶かして行く。 そのままでいたい。 そのまま。2024.03.02
綴る意味 「意味はあるんだろうか」 行く先が見えないときに人は問う。 ここに私が書く意味は? あまり意味はない。 偶然立ち寄った見知らぬ誰かが、今日の私の文章を見て 「何これ」と、ぼそっと言って閉じる。 数秒後には忘れているし、何なら読んでも何も伝わ...2024.03.01
静寂の鍵 お互いの鍵を持っている出会いがある。 出会いの合図は、一瞬、時が止まること。 存在しない、美しい音が聞こえること。 多分お互いの世界がリンクして、一瞬違う次元に飛ぶ。 過去や未来のプログラムに必要なキーワードをお互いに組み込んでいくの。抗え...2024.03.01