夜の森に溶けるなら

真っ黒な蝶々が全身を覆い尽くし、僕の形を吸い取った。

バタバタと空に飛び立つと、そこには青白く輝く骨だけが残って、僕は涙と一緒に、霧よりも細かい、光の粒子に変わるんだ。

残酷な夜に生きて泣いている、誰かの涙とくっついて、柔らかい光が差し込む時間まで、こっそり導くの。

それから、あの夜に溶けて消えてしまいたかったのにと、思わなくてすむように、何度でもそばにいる。

ーは誰も知らない夜の案内人。