真珠の耳飾りの少女

手に入れてしまえば、失ったも同じ。

失うために求め合うのだから、つまらなくて仕方がないんです。

形を帯びた途端、心から離れて泡になります。

そして舞い上がった後に、ただ破れて消えるんです。

曖昧に全部をありのまま、ここに残すなら、わたしは白い雲を虹色で描くでしょう。


映画見たので書き残します。ここからは珍しく、すごく普通な文章書きます。

実在しない説もありますが、真珠の耳飾りの少女は使用人だったそう。

貧しい身分で、学もない彼女ですが、目に見えないものを受け取る心を持っていたようです。

雲の色は白ではなく、グレー、黄色、何種類もの色が混ざっていること。

アトリエの窓を曇らせている埃を、掃除してしまえば、絵の見え方も変わってしまうことを自然と意識しているシーンが書かれていました。

雑用に追われる暮らしの中、少女の心を見抜いたのはフェルメール。

絵画を介して、2人は繋がります。

彼女の瞳と艶めく唇に現れる想いに、名前をつけるのは、もったいないような気になります。

しかしフェルメール、いかにも芸術家で、うっわぁ。なんて思う気持ちがあるくせに、フェルメールと、少女のどちらにも感情移入できてしまう自分が、なんかなぁ。